脅迫電話で学童の運動会が中止になった

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私が住んでいる地域は、毎年市内すべての学童が合同で運動会を開催します。事前準備や当日の運営は、学童の先生と共に学童保護者会の委員で行われます。

私は運動会委員として、来たる合同運動会に向けて準備に明け暮れていたのですが・・・。運動会を2日後に控えた日に突然、合同運動会中止の連絡網が回ってきました。原因は何と「子ども達の声がうるさい。もし運動会を開催したら子ども達に危害を加える」という趣旨の脅迫電話が合同運動会開催場所であった小学校にかかってきたことでした。

子どもたちの声に対して、近年は様々なクレームが寄せられるという事実はニュースで見聞きしていたものの、まさか息子の通う学童で、しかも脅迫電話という形でそれを経験するとは考えてもみませんでした。今回は、一保護者として感じたことを書きたいと思います。

 

小学生の保護者は忙しい

PTA活動

息子の通っていた保育園時代を振り替えると、保護者会に入る・入らないは保護者の自由でした。未加入者は、「保護者会作成のアルバムがもらえない」、「年中から保護者会に入っておかないと年長時の合宿に参加できない」などの制約はありましたが、入らないからといって非難されることは特になく、保護者の自由な裁量にまかせられていました。

が、小学校は違います。

ちまたではPTAの在り方が色々議論されていますが、息子の小学校でもPTAは半ば強制加入。入るか入らないかの選択権はこちら側には全くなく、入学式後にいきなり「PTA役員決め」が行われます。しかも、諸般の事情でPTA役員を免除してもらうためには、保護者全員の前で「〇〇の理由で役の免除を希望します」と伝え、保護者全員から了承してもらう必要があります。

息子が入学した当時、私は下の子が生後4ヵ月だったため、よく状況が呑み込めない中言われるがままに挙手し、起立し、「下の子がまだ小さいので役を免除していただければありがたいです」と申し立てしました。前年度のPTA役員が「皆さん、どうですか。免除でいいですか」と保護者に問いかけ、皆さんがうなづくと了承されたという証になります。私は皆さんの同意を得て、役は免除になったのですが、他の免除希望の保護者は、シングルマザーであること、親の介護で手が離せないことなど、プライバシーに関わることを全員の前で言わざるおえない始末。

何なんでしょう、PTAって。有無を言わさぬやり方に、入学初日から強烈に感じた違和感。

「PTAへの加入は任意である」という説明も一切なければ、それぞれの役がどのような働きをするのかの説明もろくになく、PTAの意義や取り組みの目的も不透明なまま、強制的に役員決めが始まります。

「いやいや、PTAは任意ですから!こんなやり方おかしいでしょ!!」と言いたくても言えない自分が情けないですが、でも、おかしすぎませんかPTAって。

とまぁ前置きが長くなりましたが、小学校に入学するとまずPTAという役が肩に乗っかってきます。(PTAについては、またおいおい思いを書きまくりたいと思います)

学童の保護者会活動

学童に子どもを預ける場合、PTAだけでなく学童の保護者会委員なるものも担う必要があります。息子の学童では「合宿委員」「運動会委員」「餅つき大会委員」のどれかを必ずしないといけません。さらに、3年生、4年生の保護者になるとそれぞれの委員の『委員長』という重責ものしかかってきます。とりあえず、私は運動会委員を選びました。

息子の通う学童では、年に2回運動会が行われます。1回目は個々の学童単独で行うミニ運動会。2回目は市内のすべての学童が合同で行う運動会。ミニ運動会は合同運動会の予行練習的な位置づけです。

二学期が始まると、いよいよ運動会に向けた準備が始まりました。平日19時半から運動会委員の会議が始まります。終了はいつも21時過ぎ。私を含め一般の委員は4回の出席で済みましたが、委員長はこれに併せて、他の学童との会議や様々な調整、資料の作成など半端ない業務量がのしかかってきます。

会議のたびに子どもの寝る時間が遅くなり・・・。帰宅後、大量の家事と持ち帰り仕事におわれ・・・。翌日もドタバタと学校&仕事に出かけ・・・。

働いているから学童に子どもを預けてるのに、なぜ仕事、家事、育児にプラスしてさらなる負担を強いられるのか・・・。 

沸々と湧き上がるダークな感情にまみれながら、「小学校でも運動会があるのに、学童でもなぜする必要があるのか」と悶々と考える日々。そのような中、ミニ運動会を迎えました。

ミニ運動会を終えた感想

ミニ運動会当日、早朝からの準備は学童の先生も手伝ってくれますが、いざ運動会が始まると先生は子ども達の引率に手をとられるため、実質競技の進行や運営は運動会委員の役目です。慣れない保護者で行うんですもの、そりゃ予期せぬトラブルに見舞われます。汗だくになりながらひたすら奮闘し、何とか無事やり終えました。

私的な感想ですが、小学校の運動会と比べると、学童運動会はまったく統率されていません。学校の先生の前ではシャキンとする子ども達も、学童の先生の前ではおちゃらけたり、おしゃべりに花が咲いたり、とにかく先生の話は聞いちゃいない。しかも、競技の運営は、慣れない保護者によるドタバタ劇場。時間がどんどん押しまくる。そりゃ、統率感なんて、あったもんじゃないですよね。

でも、「何のためにやるだろう」と感じていた思いは、終わったときには「やって良かった」という気持ちに変化しました。その大きな理由は二つあります。

一つは、純粋に子ども達がとても楽しそうに競技に取り組んでいる姿を見れたからです。確かに、学童の先生の話はろくに聞かず、まとまり感のない場面は多々ありましたが、いざ競技が始まればみんな真剣。小学校の運動会と違い、学童運動会では一輪車やヤットコ、フラフープなど個人の得意種目を披露できる時間がありるため、みんなが運動会の主役です。この日に向けて、子ども達が学童で一生懸命練習に取り組んできたことはお便りなどで知っていたので、一人一人の晴々した姿はやはり感動しました。

もう一つの理由は、子どもと保護者が共に作り上げている感がとても感じられたからです。小学校の運動会では、保護者はただ子どもの頑張りを外から眺めるだけですが、学童運動会はリレーに、玉入れに、綱引きにと、保護者も一緒に参加する競技がふんだんに盛り込まれています。共に力を合わせて取り組むことで、達成感や喜びを子ども達とダイレクトに共感することができ、私はとても充実感を感じました。

 

脅迫したのは一体誰なのか

ミニ運動会を終え、いよいよ目前に迫った合同運動会。「絶対優勝するぞ!」と息子共々闘志をメラメラ燃やしていたのですが、先述したとおり脅迫電話で開催自体がなくなりました。これまで、何十回にもわたり小学校の運動会、学童運動会、市民運動会と様々な運動会が開かれてきましたが、脅迫電話で運動会が中止になったのは近辺の地域を含めて今回が初めてのことでした。

学童の合同運動会の会場は市内の小学校の持ち回りで行われます。今回の開催小学校は市内の中でもへんぴな場所にあり、小学校周辺は川や公園が広がり民家はポツポツ数件ある程度。脅迫電話があったのは、中止発表の数日前で、学童の子ども達がリレーの練習をしている最中だったようです。「子どもたちの声がうるさい」という理由なら、小学校の運動会や市民運動会の方がさらにやかましいはずです。それがなぜ学童運動会、しかもただのリレーの練習中に脅迫電話が寄せられたのか。

ここで一つの疑問がわいてきました。

脅迫したのは一体誰だったのか。

学童運動会の開催は地域住民にはさほど知られていません。私自身も、息子が学童に入るまでは、小学校で学童運動会なるものが行われていることを全く知りませんでした。あくまでも学童児童の保護者向けのお便りでしかその周知は行われません。

そして、これまで様々な運動会が開催されてきたにも関わらず同様の脅迫がなかったということからも顧みると、脅迫電話をよこした犯人は、「子ども達の声がうるさい」ということよりもむしろ、他の意図で脅迫電話をしたのではないかという思いが沸々と沸き上がってきました。「少なくとも犯人は今年の合同運動会がこの小学校で行われることを知っていたのではないだろうか」と・・・。

つまり、「子ども達の声がうるさい」という、近隣住民のクレームを装った姿は実はフェイクで、真犯人は「学童の合同運動会そのものに異議を唱える人=学童児童の保護者」ではないかということです。あくまで、ただのサスペンス好きなオカンの推理ですが・・・。

今回の脅迫電話は、今後の運動会開催にも関わってくることなので、解決したならしたで一報が欲しいのですが、その後特に何もありません。警察が動いたという話も聞かなければ、ニュースにも特に取り上げられていません。真相はいぜん不明のままです。

この件を通して感じたこと

もし脅迫電話の犯人が仮に「学童児童の保護者」だと仮定するならば、今回の一件は、学童内の問題だけでなく、PTA活動とも密接に関わってくるのではないかと感じています。なぜなら、自身が捕まるかもしれないというリスクをおしてでも脅迫電話という手段を用いた犯人の真意が何かということを考える必要があるからです。

PTA活動も学童の保護者会もあくまで任意の団体です。ですが、実際にはそれは周知されず、入ることが半ば当り前のこととして強く根付いています。そのことに対し異議を唱えても、弱小な一保護者では到底太刀打ちできません。そもそも、PTAに逆らうことで自身の子どもに悪影響があるのではと思うと、反論さえもしにくくなります

先述したとおり、ミニ運動会を終えたあとに「やって良かった」という達成感を私が感じたのは事実です。子ども達と共に、思い出に残る経験をすることができたのも事実です。しかしその裏では、家庭や仕事を普段より犠牲にしたうえで委員に充てる時間を作り出したという現実があります。生きるために、子どもを育てるために必死に仕事に家事にとおわれる保護者が多い中で、PTAや学童保護者会が既存のやり方でこれからもずっとあり続けることに対しては、「ノー」と言わざる負えません。

脅迫電話は絶対にしてはならない最悪な行為です。犯人には、この一件で子どもたちの心にどれほど大きな傷が刻まれたかということをしっかり理解してほしいです。このようなやり方は、断じて許せない卑劣すぎる行為です。ただ、行動に移さないだけできっと多くの保護者が「PTAや学童委員をやりたくない」「やる必要があるのか」という気持ちを抱えているのはまぎれもない事実です。

今回、ブログにこの一件を書こうと思ったのは、小学校保護者を取り巻く現状がはたしてこのままでいいのかどうかということを社会に対して投げかけたかったからです。もう一度、子どもと保護者の視点に立って、PTAや学童保護者会の在り方を検討してほしいと思ったからです。時代が変わる中で、社会の在り方も、個々の家庭の状況も、考え方もどんどん変化している中で、従来のやり方を変えることなく受け継いでいくこと事態、ナンセンスです。PTAも学童保護者会も、その目的や取り組み内容をもう一度精査し、残すべきもの、不要なものを整理し直し、新しい仕組み作りが急務なのではないかという気がしてなりません。